私は既婚だけど、知り合う相手の状況は色々だ。



二年前に奥さんと死別したという、O君、33歳と、何となくメールが始まった。

最初は他愛の無い内容だったが、お互いの子供の年齢が近いということもあり、彼がその子供に対する親心を切々と書いてきた。
彼が、母親のない子供のことを気遣うメールに、私は思わず情が移っていった・・・

遊園地へ父子三人で行き、お弁当はコンビニで買っていったおにぎりを食べたこと、・・・その夜のメールでは、
「手作りのお弁当を食べている、幸せそうな家族を、ついつい羨ましいと心の中で嫉んでしまったよ」・・と。

しかし私には 彼へどういう言葉を返していいのかわからなかった・・・お互いの家族の状況が違うのは最初から分っていたこと、だからそのことに関しては特に触れることはしなかった。

その後も、仕事で学校の授業参観へ行ってあげられないこと、入学式の事・・・淡々ではあるけれど、常に母親のいない子供を不憫に想う彼の気持ちがひしひしと伝わってくるメールだった。

きっと、日頃はなかなかそんな気持ちを誰にも言えないんだろう・・・そんな正直な彼の想いを私にぶつけてくれたのかもしれない・・・

私は、必死で言葉を選び、なるべく彼が前向きになれるようなメールをいつも心がけ、彼に返信していたつもりだった・・・今思い返せば、あの時はかなり自分でも気づかないうちに、メールの返信がプレッシャーだったのかもしれない。

しかし・・・やっぱり所詮家族ありの私と、彼の今の状況を理解しようというのは無理だった。

ある時に、あんまりも彼が今の状況を嘆くメールを送ってきたので、私は思わず・・言葉こそ違え「それがその子の運命なんだから・・」みたいな事を書いて返信した。

すると、彼からのメールはこれまでにない怒りと私を罵倒するようなメールの返信だった。
「貴方に子供の気持ちが理解できますか? 仏壇の前で母親の写真を手に取りながら、今でも泣いているこの子の気持ちが・・・」

さすがに私はもう返信する気になれなかった・・・
どんなにこの先続けてもこの状況が変わらない限り、私はO君の心を受け止められないと・・・

そして何よりも私が彼からどんどんエネルギーを吸い取られていく気がしたのだ。そして、人生後ろ向きになっていくのが分った・・・


その後冷静になった彼からの再度のメールで、「ごめんねメール」が届いたが、もう正直私の中では心がホトホト疲れてしまっていた・・・

それからは、もうボツ(没)イチの人とメールするのが怖くなってしまい、2度とメール交換はしていない。

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  • heineken (3月26日 22:19)

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